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カテゴリ:dkr

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    [ 2008-12-27 08:18 ]
  • How We Know What Isn't So
    [ 2008-08-26 05:46 ]
  • 秩序再編
    [ 2008-08-24 07:26 ]
  • random walk
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    [ 2008-08-06 07:09 ]
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    [ 2008-07-15 05:02 ]
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    [ 2008-07-09 06:01 ]

冬休みの読書

帰国前の積読本の処理という面もあり(笑)、著者には大変失礼ながら少々雑な読み方でしたが読了。

岡部光明「日本企業とM&A 変貌する金融システムとその評価」

M&Aに関する計量経済学的な分析にかなりのページを割いておられたり、MM理論とかペッキング・オーダー理論といったファイナンスのお話も多く、大変高度で読みごたえのある本なのですが、自分の中に昔からあるステークホルダー論に対する漠然とした不信感のようなものが邪魔をして、いまいち本書の深いところに入っていって何かを吸収するということが上手くできなかったなぁというのが印象です。

by in_progress | 2008-12-27 08:18 | dkr

How We Know What Isn't So

本日、英国はバンクホリデー。ロンドンは、いつものごとくどんよりとした天気でしたが、天候に関するこういう解釈にも、僕の中にある「仮説に合致する情報だけを探そうとする傾向」によって多少は誤信が入っているのかもしれません。

T.ギロビッチ(守一雄=森秀子訳)『人間この信じやすきもの 迷信・誤信はどうして生まれるか』(新曜社、1993年)

「子供ができないため養子をもらった夫婦や妊娠しやすい」といった欧米で広く信じられている誤解が、どのように生み出され、それがなぜ信じ続けられるのか、ということを様々な事例とともに解明し、誤信を持たないために事実を正しく評価する方法をについても考察する本。実に面白いです。訴訟の場での事実認定とか証拠の評価というような法律家の仕事でも、認知科学の分野をまじめに勉強したら、かなり有益かもしれないなぁと思いましたがどうでしょう。ビジネスローヤー的には、「我田引水的信念の潜在的構造」の中の次の一節がちょっと面白いです。
ある考えが正かどうかを調べるには、専門家などに相談したり、専門書を調べたりという方法がとられるが、ある考えを信じたいという動機は、誰に相談するかという選択に影響を及ぼすことを通じて、私達の判断に巧妙に影響を与えることがある。私たちは、他人が何を信じ、どんな意見を持っているかについて、ある程度の予想がつくことが多い。そこで、特定の質問に対しても、どんな答えが返ってくるかについて、ある程度正確に予想することができる。こうした能力を活用して、誰に意見を求めるべきかを注意深く選択すれば、私たちは自分が聞きたいと考えている意見を他人から聞きだす機会を増やすことができる。132頁
本の中では、ある仮説が正しいかどうかを検証する際に、仮説に対する好みが仮説の検証のために考慮する情報の質や量に影響を及ぼすという文脈で出てくる話ですので、弁護士に意見書を頼むという局面とは少々違いますけれども、似たような要素はあるかなぁと。

あと、一番最後の「社会科学者の義務」というところ。
いつどのように疑問を発するべきかについての知識や、ものごとを本当に知るためにはどうすべきであるかについての認識は、教養ある人間にとっての最も重要な要件となるものである。私は、社会科学者こそが、こうした知識や認識を人々に教える最適な立場にあると思う。
そういう知識や認識をもっともっと学んでいきたいなと思う今日この頃であります。

by in_progress | 2008-08-26 05:46 | dkr

秩序再編

私はこういう方面への関心が人よりかなり弱いので、相当いまさら感がありますが・・。

梅田望夫『ウェブ進化論-本当の大変化はこれから始まる-』(筑摩書房、2006年)

さすがに魅了されますね。この方が若い世代に人気があるというのもすごく頷けます。ネット業界、IT業界とは全然違う世界であるわれわれのリーガルビジネス業界も、情報やノウハウが命の「知の世界」であることに変わりはなく、本書が扱う、ネットによる「『知の世界の秩序』再編」とは無関係ではいられないように思います。このブログで、一応自分の専門である日本法をかなり気楽に話題にしてきたことについては、これまでかなり後ろめたさがあったし、そういう中途半端な態度で書いたことをウェブ上に残すということについて、実務家としてそれでいいのだろうかと考えることは頻繁にありました。でも、もしかしたらそういう感覚自体が、本書で描かれる新しい知の世界的感覚からすると、古いってことになるんだろうなと思います。この先、自分はどういう態度でビジネスローという知の世界で生きて行ったらいいのか、有益な示唆をいくつももらった気がします。

by in_progress | 2008-08-24 07:26 | dkr

random walk

いわずと知れた古典的名著。

バートン・マルキール(井出正介訳)『ウォール街のランダム・ウォーカー(原著第9版)』(日本経済新聞出版社、2007年)

本書の翻訳が日本で始めてでたのは1993年ということですから、今から15年前なんですね。しかも原著の方がはじめて世の中に出たのは1973年。それからずっと読まれ続けているというのは、ホントに凄いです。

あまりにも有名すぎて、書いてある話の重要なところはだいたいどこかで聞いたことがあり、その意味で新鮮味はないのですが、著者の立場としてちょっと印象に残ったのは次の一節。道端に落ちている100ドル札を拾おうとする学生に対し、ファイナンスの教授が、もしそれが本物ならとっくに誰かが拾っているはずだ、と言ってたしなめるというエピソードについて。
もしかしたら、ファイナンスの教授のアドバイスは次のようなものであるべきだったのかもしれない。「ともかく、それを拾ってみたまえ。もし本物だったら、じきに誰かに拾われてしまうはずだから」と。私がランダム・ウォーカーを自任しているのは、まさにこの意味においてである。私は真の価値がいずれは行き渡ると信じているが、時には皆が真の価値に気がつかない状態も存在しうるのである。それゆえ、ごくたまには100ドル札だって落ちているかもしれない。そういう時にはもちろん、私は躊躇なくランダム・ウォークの歩みを止め、さっさと拾うのだ。
市場が効率的かどうかという議論は、実務の法律家が口を出せる領域ではないと思いますが、コーポレートガバナンスの問題とか証券訴訟の損害論とかをまじめに考えようと思うと、まったく無関心ではいられないところが悩ましいですね。

by in_progress | 2008-08-23 06:35 | dkr

経営財務入門

コーポレートファイナンスというと、一昨年ロースクールで使ったBrealy-Myers-Allenの8th editionが手元にあるんですが、これ、読み始めると半年ぐらいかかりそうな勢いなので弱気に日本語の本を選択。

井出正介=高橋文郎『ビジネスゼミナール経営財務入門[第3版]』(日本経済新聞社、2006年)

日本語の本では定評のあるテキストらしく、非常に読みやすく、分かりやすいです。計算式の説明とか、NPVとかDCFとかのコーポレートファイナンスの基本的な説明の部分は、B-M-Aの説明の方が分かりやすかったような記憶がありますが、井出=高橋の方には日本の企業社会を前提にした記述がある分で、数式などの説明の不十分さを挽回している感じでしょうか。

日本の企業に対する筆者の見方がものすごく楽観的で、2006年ってそんな年だったけなぁと思い返してみましたが、留学準備に浮かれていたせいか、そんな印象は個人的にはありません。まぁcredit crunchはまだだし、持合復活とか楽天より後の数々の出来事はまだ発生していない時ですからね・・。

by in_progress | 2008-08-06 07:09 | dkr

不思議の国

あまりにしつこい風邪に苛立ち、今日も現実逃避で趣味の読書に走る。というわけで、

牧野洋『不思議の国のM&A』(日本経済新聞出版社、2007年)

さすがに元日経の記者さんということで、取材力というか情報量はすごいです。基本的に有名なケースを取り上げていますので、全然知らない話というのは少ないのですが、取材で得られた関係者の発言など、かなり興味深いものが多いです。また、新聞記者として収集した生の事実に関する情報量だけでなくて、法律、税、コーポレートファイナンスもそれなりのレベルでちゃんとおさえられているところは脱帽です。

気持ちいいくらいに欧米流の市場メカニズムということの重要性を主張されていて、これは非常に共感できるんですが、ただ、個人的には、市場メカニズムが働いてないからダメだ、日本も世界の常識に近づかないといけない、という主張はやや単純に過ぎるような気がしています。世界標準がいいことだとして、なぜそういう風になっていないのか、根本的な問題はどこにあるんだろーなーと最近良く考えます。

by in_progress | 2008-07-31 08:46 | dkr

Randomness

気がついたらだいぶ長い間更新していませんでした。特別な理由があったわけではないのですが、強いて言えば約3週間も前にひいた風邪が未だに治らず、いまいち集中して物を読んだり考えたりできていない日々が続いているということがあるかもしれません。

というわけで、久しぶりに読んだ本。

ナシーム・ニコラス・タレブ(望月衛訳)『まぐれ 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか』(ダイヤモンド社、2008年)

著者のタレブ氏は、学際的な立場から不確実性の問題に取り組む数理系トレーダーにして大学教授、この本で述べていることは、「物事は私たちが思っているよりもたまたまなんだ」(「物事は全部たまたまなんだ」ではない)。この本が言うところのローリスクの職業の代表のような仕事をしている身からすると、この本の主な主張の一つである生存バイアスの話などは、普通に日ごろから感じているような話で、とても受け入れやすいわけですが、だから何なんだというと、いまひとつ良く分からないなという気がします。著者自ら最初にはっきり書いている通り、この本は、不確実性というものに対する著者の思うところを書いた「私事のエッセイ」であって、学術論文ではないということで、まぁ、ふーん、という程度で良いのかもしれません。

by in_progress | 2008-07-29 07:00 | dkr

壮大な書物

これもずいぶん前から読みたかった本。

ピーター・バーンスタイン(青山衛訳)『リスク-神々への反逆』(日本経済新聞出版社、2001年)

訳者あとがきの一節が本書を良くあらわしていると思います。
これは単に金融や証券投資運用に固有の概念を解説したり、学説を語るだけの浅薄な書物ではなく、まさに「現代」を理解し、「未来」を展望するための人類思想の歴史を語る壮大な書物である
それはそうと、最近、読みたいと思う本と、読まなきゃいけないと思う本と、実際に手にとっている本のバランスが微妙に悪くなっているような気がしています。この本は、読みたい本であり、実際手にとった本ですが、今の自分が読まなきゃいけない本とはちょっと違うかなという気がしています。

by in_progress | 2008-07-16 06:30 | dkr

国際税務

文字通り入門という感じの読みやすい本。

中田謙司=谷本真一『国際税務入門[第2版]』(日本経済新聞社、2006年)

外国税額控除、過小資本税制、移転価格税制、タックスヘイブン対策税制といった国際税務の基本的な考え方をざっとおさらいするには良い本かなと。もうちょっと詳しい内容を期待していたんですが、それはそれで難しくて眠くなるおそれがあるので、この程度の読み物の方がいいのかもしれません。2006年の本なので、平成19年改正のインバージョン対策は触れていません。

by in_progress | 2008-07-15 05:02 | dkr

a decade ago

ちょうど10年ほど前なんですね。

ロジャー・ローウェンスタイン『最強ヘッジファンドLTCMの興亡』(日本経済新聞出版社、2005年)

なぜいまさらLTCMなのかということについて特に理由はありません。金融規制法を考える法律家としては、一度は読んでおかなきゃいけないと思っていたというのはありますが。一部引用。
マートン=ショールズの説く効率的市場仮説で育った教授たちは、価格はどこまでもモデルが示唆するところまでまっすぐに到達するものと心の底から信じていた。慢心のあまり、モデルから値動きの限界を予想できると考えた。実際、モデルは彼らに、過去の標準に照らして、どこまでが理論的に適正か、どこまでが予想範囲内かを示してくれた。教授たちが見逃したのは、人間というものは、トレーダーも含めて、いつも理論通りに動くとは限らないことだ。これこそ、ロングターム崩壊の真の教訓だろう。
(中略)
さいころと違って、市場の動きは、リスクという数学的概念だけでなく、もっと広い範囲で、未来をなべて包み込む不確実性にも左右される。残念ながら、不確実性はリスクとは別物で、限定できない条件であり、数値という制服を着せて整列させるわけにはいかない。(447頁)
何年かすると、今肌で感じているクレジットクランチについても、いろんな本が出るのでしょうね。金融というビジネスにかかわる人たちは、それを規制するレギュレーターは、また、われわれ金融規制法に携わる法律家は、今回のクレジットクランチから何を学ぶのでしょうね。

渡英直後に約100年ぶりというbank runをテレビで見たときには、歴史的な出来事に直面しているという興奮がありましたが、自分達が歴史的だと認識するような事象は、我々が考えているより案外短いスパンでこの先も起きるのかもしれないなと、この本を読んでふと考えました。

by in_progress | 2008-07-09 06:01 | dkr